よくある質問と回答(FAQ)

Q1.インストール,インターフェース関する質問
Q2.解析に関する質問
Q3.機能に関する質問
Q4.開発に関する質問


Q2.解析に関する質問

Q2-1
計算の収束条件はどのように設定していますか?
Q2-2
詳細な地形データおよび測量したデジタルデータを使う場合に、どのようなデータ形式であればかのうでしょうか?
Q2-3
最小格子間隔はどのぐらい設定すればよいのでしょうか?格子数の上限ありますか?
Q2-4
格子数による計算時間をおおよそどのぐらいでしょうか?
Q2-5
MASCOT Basicの方位毎の計算結果ファイルに記録されるデータの座標系は、流れ方向がx軸の座標系でしょうか?
Q2-6
mascot_weneの風況予測に用いられている風向は気流解析時の風向、それとも実測地点の風向に合致させているのでしょうか?
Q2-7
Restart Error.232 の原因と対処方法を教えてください
Q2-8
MASCOT Basicによる気流解析の途中で発散する場合には発散の原因と対処法を教えてください。
Q2-9
10m地形データ(Detailed terrain map)を使った場合には、発散したり、収束せずに終了したりしたことが発生しました。その原因と対処法を教えてください。
Q2-10
画面上のmonitor_Valueのグラフは平行線で安定していますので、収束したと判断してよろしいでしょうか?
Q2-11
「MASCOT Energy」による発電量予測、「MASCOT Engineering」による風況予測の際に計算結果にすべて「0」が表示されます。その原因と対処方法を教えてください。
Q2-12
風況観測地点が地形のウェークの影響を受けているのですが,「MASCOT Energy」による発電量予測結果が過大に予測されているようです。その原因と対処方法を教えてください。
Q2-13
未収束のまま計算が終了してしまいます。
Q2-14
未収束の計算結果を用いてENERGYなどの解析を行なうことができますか。

Q2-15
MASCOT TyphoonまたはOffshoreにおいて、「Estimated topographic multiplier」の表記が変更になった理由は?



       
Q2-1 計算の収束条件はどのように設定していますか?
A.
収束基準は30万格子のケースに合わせて設定しました。格子数が30万を超える場合には収束基準が自動的に緩和されます。すなわち格子数が300万の格子を用いた解析の場合には収束基準が自動的に設定されている値(デフォルト値)の10倍になります。これにより1格子点当たりの収束基準が総格子数に依存せず一定となります。

Q2-2 詳細な地形データおよび測量したデジタルデータを使う場合に、どのようなデータ形式であればかのうでしょうか?
A.
データ形式についてここをクリックしてください。北海道地図株式会社が発行する10mメッシュDEMのデータ形式を採用しています。


Q2-3 最小格子間隔はどのぐらい設定すればよいのでしょうか?格子数の上限ありますか?
A.
一般的に、地形の起伏がそれほど激しくない場合は水平方向の最小格子間隔を25mとするのが妥当ですが、地形が非常に急峻かつ起伏の変化が激しい場所においては10mメッシュを用いることにより、精度がよくなることがあります。ただし、格子間隔が半分にした場合には格子数が3〜4倍に増えますので、計算時間はその分長くなります。格子数の上限はありませんが、50万〜100万までの範囲内とするのは妥当です。

MASCOTの計算領域について

Q2-4 格子数による計算時間をおおよそどのぐらいでしょうか?
A.
現バージョン(1.2a)では3GHzのマシンを使う場合に70万格子で24時間程度ですが、100万を超えると、2日〜5日かかります。

Q2-5 MASCOT Basicの方位毎の計算結果ファイルに記録されるデータの座標系は、流れ方向がx軸の座標系でしょうか?
A.
計算結果ファイルに記録されるデータの座標系は流れ方向がx軸の座標系です。例えば,風向Nの場合,X軸はN〜S,Y軸はW〜Eとなります。

Q2-6 mascot_weneの風況予測に用いられている風向は気流解析時の風向、それとも実測地点の風向に合致させているのでしょうか?
A.
mascot_weneに使用されている風向はMASCOT Basicの気流解析を行う際に指定されている方位にあわせて設定されています。実測風況の風向毎風速発生頻度を求める際には気流解析で指定されている方位にあわせてデータ整理を行います。

Q2-7 16方位のうち、0〜180度までの解析が収束し、202.5度の解析途中に計算をストップしました。Restartをすると、以下のメッセージが表示されますが、その原因と対処方法を教えてください。
[232 Restart Error.Error in restart file mesh number]
A.
エラーの原因は、再スタートの際に[Edit Casefile]で設定した格子数と再スタートファイルに書かれている格子数が違っていると考えられます。再スタートする前にメッシュ数が変わるような操作をした場合、あるいはファイルのI/Oをしている途中でストップボタンを押したためにファイルが壊れた場合にはこのようなメッセージが出ます。[Restart]対象の風向を[Edit Casefile]で設定し、[Run]-[Start]で解析を行うことで対処できます。

Q2-8 以下のようなエラーメッセージが出て解析が止まりました。解析が発散したのでしょうか?
「3: Culculation carried out the unusual end.」
またMASCOT Basicによる気流解析の途中で発散する場合には発散の原因と対処法を教えてください。
A.
解析が発散したと思われます。
  MASCOT Basicでは非線形方程式を数値的に解いているため、解析対象と解析条件などにより、発散する場合があります。過去に経験された発散事例から、解析領域内に非常に急峻な地形が存在することは発散の原因の1つとなっていると思われます。以下、解析が発散したの事例とその対処法を紹介します。
 複雑地形上の風況を解析する際に、設定された解析領域の大きさにより、急峻な山の頂点に上流側の境界になったケースがありました。このようなケースでは上流境界付近に人工的な急斜面が作られ、解析が発散しました。対処方法は格子間隔をすこし広げ、解析領域の全体を大きくしたことで、上流側の境界を急峻な山の風上側に移動したことでこの問題が解決しました。
 非線形方程式の解析は線形方程式と異なり、必ず収束するとは限りません。計算が発散した場合には過去の事例を習い、解析条件を設定し直して再度解析してみてください。
 解析が発散する原因はいろいろあり、Try&Errorで問題を解決するしかないため、時間が掛かる上、忍耐力も必要です。どうしても自力で問題を解決できない場合には専門家にコンサルを依頼することをお勧めいたします。

Q2-9 50m地形データ(Basic terrain map)を使った場合、問題なく全方向が収束しました。一方、10m地形データ(Detailed terrain map)を使った場合には、発散したり、収束せずに終了したりしたことが発生しました。その原因と対処法を教えてください。
A.
10m地形データによる解析が発散した理由は2つ考えられます。1つは10m地形データと50m地形データとの整合性が取れていないこと、二つは10m地形データに急峻な斜面や崖が含まれていることと思われます。
 北海道地図発行の10m地形データが国土地理院発行の50m地形データと一致しない場合はあります。その結果、Detailed terrain mapとBasic terrain mapの間に段差が発生し、解析が発散したことがあります。この場合には10m地形データを50m地形データに合うように修正する必要があります。現時点では自動修正方法が確立されておらず、手動によりデータを修正しているのは現状です。
 10m地形データに急斜面や崖が含まれている場合には10m格子を使って解析しますと、発散する可能性が高いと思われます。10m 地形データを用いる場合には2m程度の格子を使用することをお勧めいたします。しかし、現実では2m格子を使用しますと、全体の格子数が多くなりすぎます。ハブ高さ50mの大型風車を対象としている場合には50m地形データ(Basic terrain Map)のみを使用し、10m格子による解析を行えば、予測精度に大きな影響を与えないと思われます。
 ただし、国土地理院発行の50m地形データバージョン1.0は古く、現状の地形に一致しない場合には北海道地図発行の10m地形データを使用する必要性が出てきます。その際には予め10m地形データにフィルタをかけて、局所的な急斜面や崖をなまらす必要があります。現状ではMASCOT Basicが対応できる傾斜角度は50〜60度と思われます。実際傾斜角度45度を超えますと、流れが剥離し、剥離後の流れのパターンはほぼ同じになることは風洞実験や既往の数値解析により明らかになっています。どうしても自力で問題を解決できない場合には専門家にコンサルを依頼することをお勧めいたします。

Q2-10 「Wind Direction」ビューのある風向は黄色のままで終了しました。結果はファイルに保存されているのでしょうか?画面上のmonitor_Valueのグラフは平行線で安定していますので、収束したと判断してよろしいでしょうか?
A.
結果は出力されています。異常終了・強制終了以外は各風向毎にファイル出力していますので、作図ができます。
 またグラフは平行線で安定しているのであれば、ほぼ収束していると考えても問題ないと思われます。収束条件の[Outer Iteration]の回数と判定基準はあくまでも経験値であり,これに達しないからと言って、ダメということではありません。ただし、収束しない風向が卓越風向となる場合には、慎重な判断が求められます。どうしても判断がつかない場合には専門家にコンサルを依頼することをお勧めいたします。

Q2-11 「MASCOT Energy」による発電量予測、「MASCOT Engineering」による風況予測の際に計算結果にすべて「0」が表示されます。その原因と対処方法を教えてください。
A.
結果がすべて「0」となっているのは次の原因が考えられます。「MASCOT」では標準実風況変換手法(※)により任意地点の風況を求めています。標準実風況変換手法では実風況を上流における標準風況へ変換する際にSOR法による反復計算を用いており、実風況地点と上流地点における風向偏角が大きいと計算が収束しない場合があります。
対処方法としては,解析条件設定の[Detail]画面で設定する[D_limit ratio 1]の値を「0.4」に設定します。この値は風向偏角の制限係数であり「1.0」=「22.5度」の意味ですので、「0.4」を設定した場合は「9.0度」以上の風向偏角を「9.0度」に制限する、「8.0」は「180度」に相当するため制限なしを意味します。また,「0.5」以上の値を設定した場合には解析上の数値誤差が大きくなり、解が安定しない場合があります.
上記の方法により解が得られますが、@風向偏角に制限をかけるため,予測結果に誤差を含む可能性が有る、A風向偏角を制限しなければいけないような地点で観測された風況はその地域の標準風況とは言い難く、そのような風況を基とした予測結果には誤差を含む可能性があります。このため、NEDO-DBなどの気象解析結果の風況を用いた風況予測結果と比較検討するなどの、慎重な判断が求められます。どうしても判断がつかない場合には専門家にコンサルを依頼することをお勧めいたします。

※標準実風況変換手法の詳細はMASCOT Energy ユーザーズマニュアル 第4章を参照してください

Q2-12 風況観測地点が地形のウェークの影響を受けているのですが,「MASCOT Energy」による発電量予測結果が過大に予測されているようです。その原因と対処方法を教えてください。
A.
次の原因が考えられます。「MASCOT」では乱流モデルにk-εモデルを採用しているため、ウェーク領域の風速は過小評価されてしまいます.このために、尾根などの風車建設地点では風況観測地点との相対的な風速が大きくなり、発電量予測結果が過大に評価されてしまうことがあります。
対処方法としては,NEDO-DBなどの気象解析結果の風況を用いた予測結果と比較検討するなどの、慎重な判断が求められます。どうしても判断がつかない場合には専門家にコンサルを依頼することをお勧めいたします。

Q2-13 未収束のまま計算が終了してしまいます。
A.
MASCOTでは反復計算回数のデフォルト値が500回に設定されています。このため,解析領域内における地形の複雑度および計算格子の数などによってデフォルト回数では収束しない場合があります。
この場合,[Run]-[Restart]により追加計算を行ってください。
追加計算を行っても収束なしい場合には計算時に収束状況を示すグラフ[Convergence]を調べ、各物理量(風速、圧力等)の変化が殆ど無ければ,収束と判断することができます。
顕著な変化がある場合には追加計算を繰り返してください。また収束まで相当な反復回数が予想される場合は,[edit]-[option]-[Numerical Solver...]-[Iterate]より,反復回数を増やした後に[Restart]してください。

Q2-14 未収束の計算結果を用いてENERGYなどの解析を行なうことができますか。
A.
未収束であってもENERGYなどの解析を行なうことは可能ですが、発電量などの予測精度は劣る可能性があります。

Q2-15 MASCOT TyphoonまたはOffshoreにおいて、「Estimated topographic multiplier」の表記が変更になった理由は?
A.
EtIは乱流強度の補正係数ですので、平均風速対する標準偏差の比です。
比を求めますので、同じ風向を用いる必要があります。

EtI=EtS/EtV'   (1)


2010年度設計指針には、「風向特性を考慮しない方法」と「風向特性を考慮する手法」とで2種類のEtV'が表記されています。

「風向特性を考慮しない方法」では、全ての値に照査対象風向θdにおける値を用います。
つまり、同じ風向(照査対象風向)で評価しています。

「風向特性を考慮する手法」でも同様に、同じ風向で評価しなければなりません。

ここで、「風向特性を考慮する手法」の照査対象風向は、「再現期待値±0.5m/s の 風速範囲における平均風向(「割増係数ガイドライン120414」参照)」と定義して いますので、式(1)に示したEtV'に台風シミュレーションから求めたEtV'を用いた場合、 50年期待値そのものに対応する風向は、照査対象風向と一致するとは限りませんので、 同じ風向の値で比を求められない可能性があります。

さらに、台風シミュレーションから求めたEtV'は実地形上と平坦地形上の比ですが、 実地形上と平坦地形上の風向も一致していない可能性があります。

以上の様に、台風シミュレーションから求めたEtV'と16方位毎で求めたEtV'は 一致する事が無いため、マニュアル等に記載した方法で照査対象風向を定め、それに 対応したEtSとEtVを用いてEtIを求める必要があります。

これらの理由により、表記を変更しました。




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